小泉八雲『おしどり』のあらすじは?赤沼で雄のおしどりを射た猟師の尊允、夢に出てきた女の嘆き、翌朝の出来事まで5つのポイントで解説

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小泉八雲の『怪談』というと、「耳なし芳一」や「雪女」を思い浮かべる方が多いかもしれませんね。でも、同じ『怪談』には、こわいだけではない、胸がきゅっとなるような短いお話も入っています。そのひとつが「おしどり」です。この記事では、『怪談』の本文と日本語訳をもとに、「おしどり」のあらすじと読みどころを、ネタバレありでやさしくまとめました。

この記事では、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』(KWAIDAN、1904年)と、その日本語訳の「おしどり」の本文をもとに、小泉八雲『おしどり』のあらすじと読みどころについて5つのポイントで整理します。後半の、『おしどり』をじっくり味わう読み方は、この記事の提案です。

※この記事は、2026年10月時点で小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』(KWAIDAN、1904年)と、その日本語訳に掲載されている内容をもとにしています。この記事は物語の結末までふれています。訳によって、登場人物の名前の表記や言いまわしが少しちがうことがあります。

この記事でわかることは、次のとおりです。

  • 『おしどり』のあらすじ 5つのポイント
  • 『おしどり』をじっくり味わう読み方
目次

『おしどり』ってどんなお話?

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『怪談』に入っている短いお話

「おしどり」は、1904年に出版された小泉八雲の『怪談』(KWAIDAN)に入っているお話です。

舞台は陸奥の国

物語の舞台は、陸奥の国の田村の郷とされています。

主人公は猟師

主人公は、鷹狩や狩りをする尊允(そんじょう)という男です。

夫婦の鳥のお話

おしどりの夫婦をめぐる、短くて切ないお話です。

場面 できごと
赤沼 尊允が雄のおしどりを射る
その夜 夢に女が現れ、夫を殺されたことを嘆く
翌日 赤沼で、雌のおしどりが尊允の前で命を絶つ
その後 尊允は出家して僧になる

『おしどり』のあらすじ 5つのポイント

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1. 赤沼で雄のおしどりを射る

獲物がなかった帰り道、尊允は赤沼で、おしどりのつがいを見つけ、雄を射て持ち帰ります。

2. 夢に出てきた女

その夜、尊允の夢に美しい女が現れ、夫を殺されたことを泣いて嘆きます。

3. 歌を残して去る

女は、ひとり寝のさびしさをうたった歌を残し、「明日、赤沼に来ればわかる」と告げて去ります。

4. 翌朝の出来事

翌日赤沼へ行くと、雌のおしどりが尊允のほうへ泳いできて、くちばしで自分の胸を裂き、命を絶ちます。

5. 尊允の出家

尊允は頭をそって、僧になったと語られます。

5つのポイント早見表

ポイント 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』(KWAIDAN、1904年)と、その日本語訳の案内
赤沼で雄のおしどりを射る 赤沼
夢に出てきた女 夢の女
歌を残して去る 女の歌
翌朝の出来事 翌朝
尊允の出家 出家

尊允という猟師

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鷹匠で猟師

尊允は、鷹狩や狩りをして暮らす男として描かれています。

その日は獲物がなかった

物語は、尊允が獲物を得られずに帰る日からはじまります。

ふだん通りの行い

雄のおしどりを射たのは、猟師としてはふだん通りの行いだったのかもしれません。

気づきの物語

その行いが、ある夜の夢をきっかけに、大きく見え方を変えていきます。

赤沼のおしどりの夫婦

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赤沼という場所

尊允がおしどりを見つけたのは、赤沼という沼だとされています。

仲のよい夫婦の鳥

おしどりは、「おしどり夫婦」という言葉があるように、仲のよい夫婦のたとえに使われる鳥です。

つがいで泳ぐ

物語でも、雄と雌のつがいが、いっしょに泳いでいたことが描かれています。

雄を射る

尊允は、そのうちの雄を射て、持ち帰ってしまいます。

夢に出てきた女の嘆き

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美しい女

その夜、尊允の夢に、美しい女がやってきて、ひどく泣き出します。

なぜ夫を

女は、なぜ夫を殺したのかと、尊允を責めるように嘆きます。

罪のない夫

女の言葉からは、夫が何もしていないのに命をうばわれた悲しみが伝わってきます。

女の正体

読み進めると、女が雌のおしどりだったことがわかります。

女が残した歌

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ひとり寝のさびしさ

女は、夕暮れになると夫を誘っていたのに、今は赤沼の真菰のかげでひとり寝をするのがつらい、という意味の歌を残します。

歌に込めた思い

長い言葉で責めるのではなく、歌で悲しみを伝えるところが、とても印象的です。

八雲の紹介

八雲は、この歌を英語の文章の中で紹介しながら、日本の物語のこまやかさを伝えています。

明日来ればわかる

女は「明日、赤沼に来ればわかる」と言いのこして去っていきます。

翌朝の赤沼で起きたこと

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赤沼へ向かう

翌日、尊允は夢の言葉が気になって、赤沼へ出かけます。

雌のおしどり

沼には、雌のおしどりが一羽で泳いでいました。

尊允のほうへ

雌のおしどりは、尊允のほうへまっすぐ泳いできます。

目の前で命を絶つ

そして、尊允の目の前で、くちばしで自分の胸を裂き、命を絶ってしまいます。

尊允が出家した理由を考える

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自分の行いを見つめる

尊允は、自分の行いがどれほどの悲しみを生んだのかを、目の前で知ることになります。

頭をそって僧に

物語は、尊允が頭をそって僧になったところで終わります。

命への向き合い方

命をうばうことへの向き合い方が、静かに描かれているとも読めます。

読む人にゆだねる

八雲は、尊允の気持ちを長く説明せず、読む人に考えさせる終わり方にしています。

『おしどり』の読みどころ

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こわさより切なさ

「怪談」と聞くとこわいお話を想像しますが、「おしどり」は切なさが心に残るお話です。

夢と現実

夢の出来事が、翌日の現実で確かめられる流れが、物語に深い余韻を残しています。

短い物語

とても短いお話なので、すきま時間にも読みやすいです。

鳥の気持ち

動物の側から人の行いを見つめる視点も、読みどころのひとつです。

ほかの『怪談』のお話とくらべる

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耳なし芳一

「耳なし芳一」は、平家の亡霊に呼ばれる琵琶法師のお話です。

雪女

「雪女」は、雪の夜に出会った不思議な女と、約束をめぐるお話です。

おしどりとのちがい

「おしどり」は、人ではない鳥の悲しみが中心にあるところが特徴です。

読みくらべる楽しみ

いくつかのお話を読みくらべると、八雲の描く日本の姿が見えてきます。

小泉八雲ってどんな人?

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ラフカディオ・ハーン

小泉八雲は、ラフカディオ・ハーンという名前で生まれ、のちに日本に来て日本の物語を英語で紹介しました。

日本で暮らした作家

松江や熊本、東京などで暮らし、日本の文化や暮らしを書きのこしました。

『怪談』

『怪談』は、日本に伝わる不思議な話をもとにした作品集です。

今も読みつがれる

今も多くの日本語訳が出版され、読みつがれています。

日本語訳を選ぶときのヒント

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訳によってちがう

訳によって、言葉づかいや名前の表記が少しずつちがいます。

読みやすい訳

はじめて読むなら、読みやすい現代の訳から選ぶのもおすすめです。

原文と読みくらべ

英語の原文と日本語訳を読みくらべるのも、おもしろい楽しみ方です。

朗読で聞く

朗読の音源で、物語を耳で味わうのもすてきですね。

「おしどり夫婦」という言葉と物語

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仲のよさのたとえ

「おしどり夫婦」は、いつもいっしょにいる仲のよい夫婦をたとえる言葉として、国語辞典にものっています。物語のおしどりも、まさにそんな夫婦として描かれています。

言葉の重みが変わる

この言葉を知っていると、雌のおしどりがひとり残された悲しみが、いっそう胸にせまってきます。

鳥の習性と言葉

実際の鳥の習性と、言葉のイメージは同じとは限らないとも言われますが、物語の中では、夫婦のきずなを表す鳥として大切な役割をはたしています。

言葉から物語へ

ふだん何気なく使っている言葉から、こうした物語を思い出してみるのも、読書の楽しみ方のひとつですね。

ドラマや映像で八雲に出会ったら

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原作を読んでみる

ドラマや映像作品で小泉八雲に興味を持ったら、『怪談』の本文を読んでみるのがおすすめです。映像とはちがう、言葉ならではの余韻が楽しめます。

短いお話から

「おしどり」のような短いお話から読みはじめると、八雲の文章に入りやすいと思います。

登場人物の気持ちを想像

映像では表情で伝わることも、本では読む人の想像にゆだねられます。尊允の気持ちを、自分なりに想像しながら読んでみましょう。

感想をくらべる

家族や友だちと同じお話を読んで、感想をくらべてみるのも楽しいですよ。

『おしどり』をじっくり味わう読み方

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ここからは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』(KWAIDAN、1904年)と、その日本語訳の案内をもとにした、この記事の提案です。

まずは通して読む

短いお話なので、まずは一気に通して読んでみましょう。

女の歌に注目

二回目は、女が残した歌の意味に注目して読んでみましょう。

尊允の気持ちを想像

翌朝の場面で、尊允がどんな気持ちだったかを想像してみましょう。

感想を書きとめる

心に残った場面や言葉を、ノートに書きとめておくのもおすすめです。

よくある質問

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『おしどり』はどの本に入っている?

小泉八雲の『怪談』(1904年)に入っています。

主人公はだれ?

尊允(そんじょう)という猟師です。

夢に出てきた女はだれ?

尊允が射た雄のおしどりの、つれあいの雌のおしどりだと読みとれます。

結末はどうなる?

雌のおしどりが尊允の前で命を絶ち、尊允は出家して僧になります。

こわいお話?

こわさよりも、切なさが心に残るお話です。

どのくらいの長さ?

とても短いお話で、すぐに読めます。

どの訳を選べばいい?

読みやすい現代の訳から選ぶのがおすすめです。

原文は英語?

八雲は英語で書いているので、原文は英語です。

短いお話に込められた、命の重さ

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小泉八雲の「おしどり」は、赤沼で雄のおしどりを射た猟師の尊允が、夢に出てきた女の嘆きと、翌朝の雌のおしどりの最期を通して、自分の行いを見つめ、僧になるお話です。とても短いのに、読み終わったあとに長く余韻が残ります。『怪談』のほかのお話といっしょに、ぜひゆっくり味わってみてくださいね。

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この記事を書いた人

作品を尊重しながら、ドラマの見どころや感想、考察を独自にまとめる編集部です。

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